文鳥たちのこと

我が家のアイドル、文鳥のよもぎちゃんから見た世界をいくつかの小説にして、このブログとnoteで公開していました。
実はそのよもぎちゃんですが、昨年の秋に他界し、今は文鳥の天国で暮らしています。
寂しいので、その時のことはブログに載せずにいました。よもぎちゃんのいなくなった鳥かごは片付けず、そのままにして暮らしていました。本人がいなくなっても二人で暮らした思い出を小説にして残したいと思っていたのですが、実際にそうするのは難しかったです。思い出すと寂しくて、落ち込みました。死んだ日のことを思い出して心臓が冷えるようでした。
2か月ぐらい、心に文鳥の形の穴が開いた状態で生活していました。もし運命を感じる文鳥さんがいたらまたお迎えしよう、という考えはあって、家の近くのペットショップを時々のぞいてみたりしました。
白文鳥やシナモン文鳥の雛を見て、かわいいな~!でもできればよもぎちゃんと同じ桜文鳥がいいな、、と、何となく桜文鳥待ちの気持ちになっていたところへ、1月の初め頃、ちょうどお迎えするのに良い時期の桜文鳥の雛に出会いました。くちばしは真っ黒、体は全体が雛の色で、これからどんな柄になっていくか予想もつかない。カゴの中で、ブランコにつり下がったベルをどついて「チリン!!」と鳴らしていました。元気…!オラオラしている…!
そのオラオラっぷりがどうにも可笑しくて、まだ2か月ぐらいしか生きていないのに偉そうで、文鳥らしいなぁと顔がほころびました。きっと運命の文鳥さんだ、そうじゃなかったとしても、この子とは仲良く暮らしてみせる…幸せに長生きさせる!そう覚悟を決めてその子をお迎えしました。
文鳥さんの性別は不明でしたが、どうも顔を見ると女の子のようだったので、一か八か女の子寄りの名前をつけました。「マドちゃん」。マドレーヌ、まどか、窓、などから取って「マド」としました。
おしとやかな名前をつけたのですが、性格はなかなかに荒っぽく、飼い主の手の甲や首の皮膚を引きちぎるので何か所も流血しました。また、飛ぶのが大好きなようで、放鳥すると部屋中を飛び回ります。
マドちゃんを見ていると、よもぎちゃんがかなりのおっとりお嬢様気質だったように錯覚します。よもぎちゃんとて雛時代はヤンチャだったのですが、マドちゃんほど野性的ではなかったですし、もっといろんなことにビビッていました。マドちゃんはあんまりビビりません。
マドちゃんと暮らし始めてから、よもぎちゃんのことをあたたかい気持ちで思い出すことができるようになりました。マドちゃんはこんな感じだけど、よもぎちゃんはこうだったなぁ、と、二羽の違いからそれぞれの良さを知ることができて、二代目の文鳥さんをお迎えしたのは私にとって大きな幸せになったなと喜んでいます。
マドちゃんの健康状態や心の状態をよく見ながら、毎日を大切に、楽しく一緒に暮らしていこうと思います。